夫婦と小さなお子さん2人の4人家族が暮らすマンションをリノベーションしました。
クライアントのご家族はとても仲がよく、家族揃って過ごす時間や生活そのものをとても大切にしていると感じました。
マンションの間取りは南北方向に長くなっており、その中でどのように家族の繋がりを保ちながら仕切れるかを考え、閉塞感がなく機能的で、居心地の良い空間づくりを意識してデザインしてゆきました。
そこで、床から天井までを塞いでしまう壁ではなく、固定された壁というイメージではなく、ものとしてのイメージを持つ家具を使って部屋を仕切ることを考えました。
家の中央に子ども部屋を配置し、その仕切りとして収納やキッチンを組み込んだ造作家具を設置しました。
家具の高さは2mに抑え、天井との隙間がスリット状に空けることで壁よりも軽いイメージの間仕切りをつくりました。
長手方向の視界が抜けて天井が連続して見えることで、実際の面積以上の広さを感じられると共に、プライバシーを守りながら家族の気配を感じられる空間構成となっています。
また、角部屋の立地を活かし、マンションだと暗くなりがちな廊下部分にも外光が廻り込むことで、一日を通して各スペースに均質な明るさをもたらします。
家具やサッシ枠等の木部仕上げは、クライアントが持っている家具との相性も考慮して家全体の木目と色味を統一し、シンプルな配色でありながら木の素材感を各所で感じられるデザインとしました。
家族の雰囲気に合った、素朴で温かみがあり、子供との日常を大切に過ごすことができる住まいをつくることが出来たのではないかと思います。