千葉県千葉市美浜区にベーカリーをつくりました。

「CAFE-CRAFTSMAN BASE（カフェ クラフトマンベース）」は、千葉県千葉市美浜区で地元の人に長く愛され続けているカフェ「Mother Moon cafe MIHAMA PLACE（マザームーンカフェ美浜店）」が新たにつくったベーカリーです。
ここでつくられたパンや焼き菓子は、店で直接販売されるだけでなく、周辺のカフェやレストランに卸され、提供されます。

クライアントが自分たちでパンを作ることを決意した背景には、自分達のカフェで提供するパンの質を上げたいというだけでなく、地域のパン工場として、同じように考えている同業者にもおいしいパンを提供してゆきたいという想いがありました。
以上のことを踏まえて店づくりで表現するために、「商店」というよりは「工場」というイメージを強めた、「craftsman base」の名の通り、粋な職人達の集まる基地のような空間をつくることを考えました。

お店ではなく、工場に入るという非日常性を演出するために、一般的な仕上げ材は使わず、あえてラーチやラワンの合板など、安価で荒さのある材料を使用しました。

ただ、それだけではローコスト店舗というイメージにもなってしまうので、厚さ24㎜のラーチ合板を600×300㎜のサイズで切り出し、馬乗り目地貼りで壁から浮かせて設置し、目地のどこに板を差し込んでも棚として活用できる家具のような壁をつくりました。

ありきたりの材料を使っても、職人ならではの創意工夫をデザインに取り入れることで、オリジナリティーのある特別な壁をつくることができました。つくることの面白さや、かっこよさ、職人達の息遣いを感じることができるような空間を実現できたのではないかと思います。