東京都江東区にある総合病院の健診センターを改修しました。
あそか病院は、1923年に関東地方を襲った関東大震災の時に日比谷公園につくられた救護所を前身とし、1930年に今の場所に開設されました。
今回の改修では、病院全体の改修を段階的に進めてゆく過程で場所を移すこととなった健診センターを、病院内で唯一健康な人が利用する場所として、他のエリアとは一線を画す新たなイメージを持つ空間へと創り変えました。
健診センターの移動先は、外からの動線が良く、他のエリアともあまり接触せずに来られる位置にあった外来棟4階の会議室と、その周辺一帯のエリアとすることとなりました。
移動先である外来棟4階の一角には、健診エリア側の建物外部に面した開口部に加え、受付と待合エリア内部の光庭に面した開口部がありましたが、光庭上部に上階の建物が被っていることで、効果的な採光はできていませんでした。
加えて、光庭内部もメンテナンスをしてきれいな状態で維持することが難しい状況であっため、窓に空間の基調となる森の景色を映すことで目隠しし、外部には上階の建物を照らすように照明を設置して自然光を補うようにしました。
厚みのある枠を設けることや、自然光を意識した照明計画を採用する等、既に改修が済んでいる病棟のデザインを踏襲しつつ、木部のトーンを少し落とし、植物の自然な緑色以外の色を抑えるなど、落ち着いた印象の空間とすることで、他のエリアと一線を画した新しいイメージの健診センターを実現しました。