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2015.09.22 AIDA TALK

着工~竣工のあいだ

私たち建築設計事務所の仕事では、新築であれば敷地を、リノベーションであれば既存の現場の状態を調査し、敷地や既存の状態における、制約や利点などをできるだけ正確に読み込み、理解し、その中でクライアントのう要望を最大限満たすにはどうしたらいいかを考え、計画してゆきます。ただ、そうした中で、模型やパースを用いてシミュレーションをしてみても、いまいちイメージしきれないところも出てきます。

そこで、AIDAHOでは、できれば実物を見て決めたいというような箇所については、工程に無理のない範囲であれば、工事現場の途中経過を見てもらって最終判断の参考にしてもらうようにしています。

建築業界で働くようになって間もない頃、日々変わっていく現場の景色にとてもワクワクしました。通常、一般の人が目にすることのない着工から引渡しまでの間には、壁が全部解体されてコンクリートがむき出しになった状態や、規則正しく設置された壁の下地、ボードの目地をパテで埋めた時に出てくるパターン等、「これはこれでかっこいいのでは!?」と思わされるタイミングが多くあります。そして、それらの景色を見ることで、また新しい発想が浮かぶこともあります。

「生産と消費のあいだ」でも書きましたが、私達は、建築のプロとして、建築のことをよく知ってもらい、建築をより楽しんでもらえるような機会をつくってゆきたいと思っています。

完成してはじめて現場を見るというのも驚きがあっていいと思いますが、何度かポイントとなるところで途中経過を見て、それまで決めたことを現場で検証しながらつくり上げていくことで、自分の持っている完成イメージと最終的にできたものとの誤差は小さくなり、思い描いたものにより近いものを実現することができます。

建築は要素が多く、決めてゆくだけでも、かなり根気のいる作業です。着工前に決めなければいけないことや、着工してから途中経過を見て決めたほうがいいこともあるので、焦らずいつまでに何を決めるかを整理し、少しずつ無理なく納得して決めていけるように各種ショールームや、現場の途中経過を見に行くスケジュールを組んで、決断しやすい状況を整えてゆく事が大切です。