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2015.09.09 AIDA TALK Report

生産と消費のあいだ

今年の4月に、kiredo(キレド)という千葉の四街道にある農家のお店 キレドベジタブルアトリエ をデザインしました。

キレドはちょっと変わった農家で、美味しくて珍しい様々な野菜を届けてくれるだけでなく、農家が身近にいる生活の楽しさみたいなことを感じさせてくれます。

畑に遊びに行くと、とれたての野菜を試食させてくれたり、様々なイベントを催してくれたり、自分の知らない野菜についての情報を教えてくれたり、いつも楽しませてもらっています。

野菜を育てることに面白みを感じ、真剣に取り組んでいる農家さんとの話はとても面白いし、届く野菜はいつも楽しみで、生活に彩を与えてくれます。

キレドのように、ものとの出会いを楽しく演出してくれる生産者は素晴らしいと思うし、そういう生産者との出会いに関心を持つ人は増えてきているのではないでしょうか。

私も、友人や、興味を持ちそうな知人には紹介してきましたが、そのキレドのお店づくりに参加できる機会をいただいたことはとても嬉しく、楽しくお仕事をさせていただきました。

壁のパテ塗り等の下処理から塗装仕上げまで、自分達で出来ることはお客さんが自分で施工していたのですが、パテも塗装も面積が広く、かなり根気のいる作業だったにもかかわらず最後までやりきった店主のケイコさんには本当に感心させられました。

最近はクラフトマーケットや農家の方々が直接野菜を売るマルシェのようなつくっている人から直接購入することが出来るイベントがいろいろな場所で開催されるようになって来ました。

私も国連大学前で開催されているファーマーズマーケットや、千葉で開催されているにわのわ、千葉県山武市で開催されている「山のおんぶ」等、つくっている人から直接買うことができるようなイベントは好きで、よく行っています。

つくっている人から直接買うことで、購入したものと一緒にその人の顔や話したことなんかも一緒に頭にインプットされる分、そのものに対する思い入れが強くなるし、お気に入りのものに触れながら生活することで、とても豊かな気持ちになります。

マーケットのようなイベントだけではなく、キレドベジタブルアトリエ のようなお店が町中に増えてゆくことで、日常の中に埋もれてしまっている、一つ一つの消費の意味を考えるきっかけにもなるのではないでしょうか。

私達も、建築設計、インテリアデザインの仕事のなかで、建築やインテリアデザインの面白さ、ものづくりの楽しさをクライアントと共有してゆきたいと思います。