WOODWORK WELCOME COFFEEは、台東区御徒町でオリジナル家具の制作、販売をしているWOODWORKの一角に新たにつくったカフェスタンドです。

創業１００年以上の古い材木屋さんがつくったWOODWORKは、この地で１０年以上前からオリジナル家具の製作・販売をしてきました。
家具の制作・販売以外にも、ワークショップなどのイベントの企画・運営や、木を使った商品の開発サポート、デザイン・製作のコンサルティングなど、木材加工のノウハウを蓄積しながら、求められるニーズに応じて常に発展を続けています。

WOODWORK WELCOME COFFEEは、その発展の最先端部として、ものづくりの現場を見せ、知ってもらうことや、つくることに参加をして楽しんでもらう機会や場所を提供すること等、WOODWORKがこれまで取り組んできたそれらの活動を表現するような空間にすることを考えました。

具体的な方法としては、つくり過ぎない仕上げ手法として、仕上げ度合いのグラデーションという方法を考えてみました。
この手法をカフェのカウンターや、壁に設置する木製ルーバーに施すことで、「未完」「途中」というような雰囲気をつくり、そこに置かれる完成された商品である家具や、その他のプロダクトを際立たせるとともに、カフェを訪れる人達それぞれが、この先の完成や発展する姿を自由にイメージできるような隙を残すデザインとしました。

仕上げ度のグラデーションの施された木部以外については、できるだけ目立たせないようにするため、床のモルタルに合わせてモルタル調に統一して仕上げました。

仕上げ度のグラデーションを施された木部は、切り出したままの材木が、家具の一部として使われる程度まで仕上がる過程を、その見た目だけでなく手で触った感覚でも感じることができます。

完成と未完成を同居させることで、完成されたものの美しさをより感じつつ、この先のWOODWORKの進化を楽しみに感じてもらえるような空間をデザインできたのではないかと思います。